これからの歯科のかかり方
1・・・全国ビリから、世界のトップレベルに
山形県の坂田で全国でもビリだった子どもたちが、10年を経て日本のトップレベルになりました。これは子どもたちのむし歯の話です。
山形県はつい最近まで子どものむし歯が一番多い県だったのです。一九九〇年の三歳児のむし歯経験者の比率は七八,五%で、四七都道府県で最下位。無理からぬ茸状もあります。三世代同居家族が多く、おじいちゃん、おばあちゃんは、どうしてもめんこい孫に甘くなってしまうのです。大家族は核家族より、幼児のむし歯が多くなりがちです。
ところが、そのむし歯の多い山形県のなかで、去年、日本海に面した人口十二万人の地方都市である酒田市が全国でもトップレベルの歯の健康状態を達成したのです。むし歯の成績は、永久歯が生え揃う十二歳の子どものDMFTという歯数で表されます。DMFT指数というのは、むし歯で穴のあいた歯(D)、抜いた歯(M)、治療でつめた歯(F)の一人当たり平均の合計本数です。日本の十二歳児の子どものDMFTは、ほぼ二・九。それが去年、山形県は全国平均を下回り二・七、酒田市は一・四。周辺の四町のうち三町は酒田市よりもさらに成績が良かったのです。学校単位では、酒田市内の小学校四校がなんと〇・五を下回りました。
ほぼ一〇年前、全国でも最下位だった三歳の子どもたちが十二歳になって、北欧なみの歯の健康を手に入れました。どこかの家からヒーローが出たのではなく、地域の子ども達全部がヒーローですから、地域をあげて自慢できます。北欧では、十二歳児DMFT一・〇はいまや当たり前ですが、そこにグンと近づきました。
もちろん、これにはわけがあります。
ひとりの歯科医が、行動を起こしたのは一九九六年のことでした。小学校の学校歯科医になると同時に山形県の不名誉な実状をなんとか改善しようと活動を始めたのです。かつて小学校や中学校の歯科健診では、むし歯を見つけることに全精力を傾けていました。歯科医は年に二度学校に出向いて、細い針で子どもの歯を探り、詳細にむし歯の程度を調べ、記録しました。そしてその記録をもとに、養護の先生は児童に治療をうながしてきました。児童の親御さんたちは、学校からの「治療のお勧め」に従って子どもを歯医者に行かせました。歯医者さんは、子どものむし歯を削って、そこに金属を詰めて治療をしました。だれもが子どもの健康のためだと考えて、そうしてきたのです。
しかし、できはじめのむし歯を針でつついて見つけ、そこを削って詰めるのでは、むし歯はなくなりません。かえってむし歯をひどくしてしまう可能性さえあります。たとえ一時的にむし歯が治っても、再発すれば削った分だけ歯の破壊は進みます。
むし歯を探すこと以上に、まず教育のなかでむし歯を防ぐことに精力を傾ける必要があるのです。
甘いものを控えたり、毎食後歯みがきをしたり、フッ素で洗口することは、歯の健康のためにどれも大切なことですが、もっと確実で効果的なことは、子ども自身が自分のからだに関心を持って、自分のからだを自分で管理することの大切さを理解することです。歯ブラシもフッ素も、そのための道具として上手に使ってはじめて活かすことができるのです。こうして、酒田地区の小学校では、養護の先生を軸に、学校歯科医、先生そして家族がいっしょになった歯の健康づくりがはじまり、たった十五年で世界のトップレベルに躍り出たのです。
一生自分の歯で過そう!A
2・・・病気を見つける健診から、病気をなくす教育へ
病気になったらお医者さんに行く、病気は医者に治してもらう、と私たちは勘違いしがちです。でも、これは大間違い。病気を治すのも、健康をつくるのも、私たち自身です。医者は、それを助けることができるに過ぎません。歯医者でも同じです。
むし歯を見つけるのではなく、むし歯をなくす教育は、ただ子どもたちのむし歯を激減させただけではなく、健康に対する考えや医療機関の利用の仕方をまるごとカエル活動になり始めています。
むし歯をなくす教育は、まず学校の先生を集めて歯の健康を守るための話を聞いていただくことから始まりました。子どもたちの前にまず先生の教育だったのです。もともと小学校の新人の先生は、ガヤガヤ騒がしい教室で子どもたちに聴こえる大きな声で話さなければなりません。だからどうしても、のどをいためやすいのですが、そのためにノド飴をなめる先生が少なくありません。まず先生たちが勉強して「健康のことは養護の先生におまかせ」という空気が変わりました。
子どもたちの歯科健診も、口を開けて歯医者さんに調べてもらうだけの健診ではありません。証明のよくない体育館で精密な検査をすることには、従来から疑問の声がありました。とくに小学生では、どの子の口のなかにも、生えたばかりの永久歯があります。生えたばかりの永久歯は、とても酸に弱く、まだ軟らかいのです。とくに奥歯は、歯の山がとんがって谷が深く、その深い谷がとてもむし歯になりやすいのですが、そのなりかけのむし歯を、細い針でつついて壊してしまったら、もう自然には治りません。歯の表面が壊れたら、歯の内部にたくさんの細菌が入り込んでしまいます。
寄生虫対象なら、学校で検査して、寄生虫を見つけることが対策になります。でも、むし歯は、穴があいてしまったら治りません。だから精密な検査より、むし歯をつくらない教育が大切なのです。
ある小学校では、自分の口のなかの写真を貼ったカードを子どもたちひとり一人につくりました。学校歯科医とそのスタッフが手分けして子どもたちの口のなかの写真を撮影し、ひとり一人の歯の状態を克明に書いたカードにその写真を貼って子どもに渡しました。それを持ち帰った子どもを囲んで、家族で子どものからだについて話し合いをしてもらいました。子どもたちは、家族みんなに注目されて、自分のからだに関心をもつとても印象不快経験をしました。その感想を作文にします。もうこれ以上の勉強はありません。
これまで学校の健診で見つかったむし歯を削って詰めていた地域の歯科医たちも、子どもたちの健康を管理する診療へと次々に方向転換しはじめました。病気を見つける健診から、自分で自分のからだを管理し健康を育てる教育へ、先生も父母も地域の歯科医も、みんなの意識が次第に変化しはじめたのです。酒田の小学校では、学校と地域が一体となった健康づくりがいまでは当たり前。そこには小学校の養護の先生の学校を越えた横の連携、先生や父母の理解、地域の歯科医たちの協力がありました。
病気になったらお医者さんに行く、病気は医者に治してもらう、と私たちは勘違いしがちです。でも、これは大間違い。病気を治すのも、健康をつくるのも、私たち自身です。医者は、それを助けることができるに過ぎません。歯医者でも同じです。
むし歯を見つけるのではなく、むし歯をなくす教育は、ただ子どもたちのむし歯を激減させただけではなく、健康に対する考えや医療機関の利用の仕方をまるごとカエル活動になり始めています。
むし歯をなくす教育は、まず学校の先生を集めて歯の健康を守るための話を聞いていただくことから始まりました。子どもたちの前にまず先生の教育だったのです。もともと小学校の新人の先生は、ガヤガヤ騒がしい教室で子どもたちに聴こえる大きな声で話さなければなりません。だからどうしても、のどをいためやすいのですが、そのためにノド飴をなめる先生が少なくありません。まず先生たちが勉強して「健康のことは養護の先生におまかせ」という空気が変わりました。
子どもたちの歯科健診も、口を開けて歯医者さんに調べてもらうだけの健診ではありません。証明のよくない体育館で精密な検査をすることには、従来から疑問の声がありました。とくに小学生では、どの子の口のなかにも、生えたばかりの永久歯があります。生えたばかりの永久歯は、とても酸に弱く、まだ軟らかいのです。とくに奥歯は、歯の山がとんがって谷が深く、その深い谷がとてもむし歯になりやすいのですが、そのなりかけのむし歯を、細い針でつついて壊してしまったら、もう自然には治りません。歯の表面が壊れたら、歯の内部にたくさんの細菌が入り込んでしまいます。
寄生虫対象なら、学校で検査して、寄生虫を見つけることが対策になります。でも、むし歯は、穴があいてしまったら治りません。だから精密な検査より、むし歯をつくらない教育が大切なのです。
ある小学校では、自分の口のなかの写真を貼ったカードを子どもたちひとり一人につくりました。学校歯科医とそのスタッフが手分けして子どもたちの口のなかの写真を撮影し、ひとり一人の歯の状態を克明に書いたカードにその写真を貼って子どもに渡しました。それを持ち帰った子どもを囲んで、家族で子どものからだについて話し合いをしてもらいました。子どもたちは、家族みんなに注目されて、自分のからだに関心をもつとても印象不快経験をしました。その感想を作文にします。もうこれ以上の勉強はありません。
これまで学校の健診で見つかったむし歯を削って詰めていた地域の歯科医たちも、子どもたちの健康を管理する診療へと次々に方向転換しはじめました。病気を見つける健診から、自分で自分のからだを管理し健康を育てる教育へ、先生も父母も地域の歯科医も、みんなの意識が次第に変化しはじめたのです。酒田の小学校では、学校と地域が一体となった健康づくりがいまでは当たり前。そこには小学校の養護の先生の学校を越えた横の連携、先生や父母の理解、地域の歯科医たちの協力がありました。
一生自分の歯で過そう!B
3・・・むし歯は削って詰めても治らない
赤ちゃんの歯はいつ生えてくるのか、知っていますか?歯が生えたら、離乳が終わって乳児から幼児になるのです。白い前歯が顔を見せるのは生後八〜九か月ごろです。この真珠のようなかわいい歯が、むし歯になったらどうしましょう。そこが健康の別れ道です。むし歯ができたら歯医者に行けばいいと考えているか、むし歯なんかつくらないぞと考えているか。この心構え一つが、お子さんの生涯の歯の健康を左右します。では、子どもの歯をむし歯にしないために何をしましょう。砂糖のお菓子を与えない?毎食後はみがきをさせる?
日本のむし歯予防は、これまで砂糖ゼロ、食べたら歯みがき、早く見つけて早く治療を三本柱にしてきました。ちなみに日本の砂糖消費量は世界一四三か国のなかで八五位。欧米諸国に比べると極端に少ないのです。では、歯を磨いていないのでしょうか?厚生省の調査では、毎日磨く人は国民の九六・二%。こんなきれい好きの国民もめずらしいのです。全国でビリだった山形県の三歳児は、砂糖を食べずに世界のトップになったのではありません。つらい努力をせずに成功した秘密はどこにあるのでしょう?
むし歯の原因から考えてみましょう。
むし歯の原因になるミュータンス菌は、歯が生える前の口の中にはいません。ツルツルした面にだけくっつく性質をもっているので、歯が生えるまではくっつく場所がないのです。この細菌は赤ちゃんに一番近い人から感染します。このためむし歯ゼロのためには、お母さんから赤ちゃんにミュータンス菌を感染させない、そのためにスキンシップを避けるという極端な意見もあります。でも、これは大間違い。赤ちゃんの口の中の善玉菌(サングイス菌)も、一番近い人からうつるのです。善玉菌が小さな歯の表面にすみついてしまうと、今度はむし歯菌が感染しにくくなります。やっぱりスキンシップは欠かせません。
問題は、お母さんの口のなかのむし歯菌の量です。もともと善玉菌が多く、むし歯の原因菌がほとんど見つからない人もいます。佐藤をだらだら口にしていると、ミュータンス菌は増えます。妊娠中は、どうしても食事が不規則になり偏食がちになりますから、その偏食を引きずっている人は要注意。
むし歯は、いくらきちっと詰めても治らないのです。プラスチックで詰めた歯は平均五・二年、金属の詰めもの平均五・四年 かぶせる治療平均七・一年。これが治療の結果です。むし歯の原因をなくさなければ、削ったところはまた、むし歯が再発します。しかも二度目にダメになったときは、一段とひどくなるのです。これを繰り返して、多くの人が歯を失っています。
スウェーデンを例にとると十九歳のDMFS(一人平均のむし歯のある面数と詰めた歯面数、抜いた歯の合計)は三・六、むし歯ゼロの人は全体の二二・三%。これに対して日本は、悪い歯を歯面数ではなく本数(DMFT)で数えても九・二、むし歯ゼロはなんと四%です。日本に歯医者さんが少なくて治療が行き届かないのではありません。まったく反対です。悪くなったら治療する、これでは歯は雪だるま式に悪くってしまうのです。厚生省の調査では、三〇〜三四歳でDMFT(一人平均のむし歯、詰めた歯、抜けた歯の本数)が十三・七、四〇〜四四歳で一五・六。年を重ねるごとに歯を失い、五〇歳でまともな歯は、四割しかないというのが実状です。
からだの不自由なお年寄りは、くちから食べる自由を奪われると、みるみる衰弱してしまいます。鼻から管を通され口を使わなくなったら、笑う力も話す意欲もなくなります。いま老人介護でも、「口から食べる」ことが、元気を回復する一番の近道だといわれています。高齢になっても自分の歯で食べるために、あなたも「悪くなったら治せばいい」を変えてみませんか?
赤ちゃんの歯はいつ生えてくるのか、知っていますか?歯が生えたら、離乳が終わって乳児から幼児になるのです。白い前歯が顔を見せるのは生後八〜九か月ごろです。この真珠のようなかわいい歯が、むし歯になったらどうしましょう。そこが健康の別れ道です。むし歯ができたら歯医者に行けばいいと考えているか、むし歯なんかつくらないぞと考えているか。この心構え一つが、お子さんの生涯の歯の健康を左右します。では、子どもの歯をむし歯にしないために何をしましょう。砂糖のお菓子を与えない?毎食後はみがきをさせる?
日本のむし歯予防は、これまで砂糖ゼロ、食べたら歯みがき、早く見つけて早く治療を三本柱にしてきました。ちなみに日本の砂糖消費量は世界一四三か国のなかで八五位。欧米諸国に比べると極端に少ないのです。では、歯を磨いていないのでしょうか?厚生省の調査では、毎日磨く人は国民の九六・二%。こんなきれい好きの国民もめずらしいのです。全国でビリだった山形県の三歳児は、砂糖を食べずに世界のトップになったのではありません。つらい努力をせずに成功した秘密はどこにあるのでしょう?
むし歯の原因から考えてみましょう。
むし歯の原因になるミュータンス菌は、歯が生える前の口の中にはいません。ツルツルした面にだけくっつく性質をもっているので、歯が生えるまではくっつく場所がないのです。この細菌は赤ちゃんに一番近い人から感染します。このためむし歯ゼロのためには、お母さんから赤ちゃんにミュータンス菌を感染させない、そのためにスキンシップを避けるという極端な意見もあります。でも、これは大間違い。赤ちゃんの口の中の善玉菌(サングイス菌)も、一番近い人からうつるのです。善玉菌が小さな歯の表面にすみついてしまうと、今度はむし歯菌が感染しにくくなります。やっぱりスキンシップは欠かせません。
問題は、お母さんの口のなかのむし歯菌の量です。もともと善玉菌が多く、むし歯の原因菌がほとんど見つからない人もいます。佐藤をだらだら口にしていると、ミュータンス菌は増えます。妊娠中は、どうしても食事が不規則になり偏食がちになりますから、その偏食を引きずっている人は要注意。
むし歯は、いくらきちっと詰めても治らないのです。プラスチックで詰めた歯は平均五・二年、金属の詰めもの平均五・四年 かぶせる治療平均七・一年。これが治療の結果です。むし歯の原因をなくさなければ、削ったところはまた、むし歯が再発します。しかも二度目にダメになったときは、一段とひどくなるのです。これを繰り返して、多くの人が歯を失っています。
スウェーデンを例にとると十九歳のDMFS(一人平均のむし歯のある面数と詰めた歯面数、抜いた歯の合計)は三・六、むし歯ゼロの人は全体の二二・三%。これに対して日本は、悪い歯を歯面数ではなく本数(DMFT)で数えても九・二、むし歯ゼロはなんと四%です。日本に歯医者さんが少なくて治療が行き届かないのではありません。まったく反対です。悪くなったら治療する、これでは歯は雪だるま式に悪くってしまうのです。厚生省の調査では、三〇〜三四歳でDMFT(一人平均のむし歯、詰めた歯、抜けた歯の本数)が十三・七、四〇〜四四歳で一五・六。年を重ねるごとに歯を失い、五〇歳でまともな歯は、四割しかないというのが実状です。
からだの不自由なお年寄りは、くちから食べる自由を奪われると、みるみる衰弱してしまいます。鼻から管を通され口を使わなくなったら、笑う力も話す意欲もなくなります。いま老人介護でも、「口から食べる」ことが、元気を回復する一番の近道だといわれています。高齢になっても自分の歯で食べるために、あなたも「悪くなったら治せばいい」を変えてみませんか?
一生自分の歯で過そう!C
4 むし歯は、治るうちに治そう
むし歯にしないように甘いおやつも控えめ、歯磨きもちゃんとさせていたのに、子どもが学校から歯医者さんの受診の勧めをもらって帰ってきました。「CO」の記号にマル印がついています。お母さんは大ショック。甘いものも控えめだったのに、どうしてむし歯になったのかしら?「CO」ってなにかしら?
学校歯科健診では、以前は、進行の度合いに応じてむし歯をC1〜C4の四段階に分けることになっていました。でも、ひどくなったむし歯は治らないないわけですから、毎年健診をしても子どもたちの健康状態は一つも改善しません。治療のための検査をしていたのでは、むし歯を減るどころか増える一方です。平成七年度に、このきまりが改正され、むし歯を学校で詳しく診査することはなくなりました。代わりに要観察歯(CO:シーオー)という考え方が使われるようになりました。むし歯のなりはじめの危険な状態がCOです。COは削って詰めなくても治るむし歯です。学校歯科健診でも、ついに治療から予防管理へと、考え方が大きく変わったのです。
健康を育てる教育を始めていた歯科医は、この方針転換をずっと首を長くしてまっていました。削らずに、子どものむし歯を治したかったからです。昔の歯科医は、むし歯は治らないものと考えていました。だから小さなむし歯を早く見つけて小さなうちに削って詰めてしまったのです。むし歯になりそうな部分まで、余分に削って金属に代えてしまう治療も珍しくありませんでした。それが正しい治療だと思われていたのです。
COは、治る瀬戸際にあるむし歯です。COは、削りません。COの治療はむし歯の原因除去療法ですから、むし歯治療の基本です。
歯は唾液の海のなかで、ちょうど呼吸するようにミネラルをすったり出したりしています。ここに強い酸を大量につくる細菌、そして細菌が酸をつくるための栄養が加わると状況が変わります。細菌が歯の表面につくるプラークのなかでは酸がつくられ、歯のミネラルが一方的に溶け出してしまうのです。ちょうど雨が少なく日照りが強いために土地から水が奪われ、砂漠になってしまうのと同じで、プラークの下でミネラルが奪われつづけるとCOの状態になります。歯の一部が白く濁った状態です。深い溝が褐色になることもあります。
日照りが厳しくても砂漠になるとは限りません。樹木が日陰をつくり、植物が水を蓄えていれば砂漠にはなりません。でも家畜が草を食べ尽くし、木々を薪にしてしまうと一気に砂漠化が進むのです。むし歯を防ぐ一番大きな力をもっているのは唾液です。唾液のパワーが及ばないと、天井おやつを控えて、歯みがきをしていてもむし歯になってしまうのです。唾液には、食物を洗い流す働きの他、細菌の増加を抑える力があり、しかもむし歯の細菌が出す酸を中和してくれます。さらにたっぷりとミネラルを含んでいるので、歯がうしなったミネラルを再び取り戻してくれます。このため、唾液の応援があればむし歯を防ぐことができます。
唾液の応援が及ばないところには、フッ素イオンの助けを借ります。歯の耐酸性がとくに低い場合、たとえば子どもの乳酸や生えたばかりの永久歯、削って詰めた歯、かぶせた歯、高齢になって歯茎が下がった歯は酸に弱いので、フッ素の助けが必要です。このほか細菌を減らし酸をつくらせないためには、食べ物と食べ方対策が有効です。口のなかをきれいに清掃することも、もちろん大事です。
高齢者であれば、いつも服用しているお薬に唾液を少なくする福作用があるかもしれません。唾液が出なければ、歯ぐきの下がったところは簡単にむし歯になります。この場合は、お薬を変えることも考えましょう。余分なお薬を減らすチャンスにもなるでしょう。
その人のその場所の問題に応じた対策が、むし歯を治すほんとうの治療です。
むし歯にしないように甘いおやつも控えめ、歯磨きもちゃんとさせていたのに、子どもが学校から歯医者さんの受診の勧めをもらって帰ってきました。「CO」の記号にマル印がついています。お母さんは大ショック。甘いものも控えめだったのに、どうしてむし歯になったのかしら?「CO」ってなにかしら?
学校歯科健診では、以前は、進行の度合いに応じてむし歯をC1〜C4の四段階に分けることになっていました。でも、ひどくなったむし歯は治らないないわけですから、毎年健診をしても子どもたちの健康状態は一つも改善しません。治療のための検査をしていたのでは、むし歯を減るどころか増える一方です。平成七年度に、このきまりが改正され、むし歯を学校で詳しく診査することはなくなりました。代わりに要観察歯(CO:シーオー)という考え方が使われるようになりました。むし歯のなりはじめの危険な状態がCOです。COは削って詰めなくても治るむし歯です。学校歯科健診でも、ついに治療から予防管理へと、考え方が大きく変わったのです。
健康を育てる教育を始めていた歯科医は、この方針転換をずっと首を長くしてまっていました。削らずに、子どものむし歯を治したかったからです。昔の歯科医は、むし歯は治らないものと考えていました。だから小さなむし歯を早く見つけて小さなうちに削って詰めてしまったのです。むし歯になりそうな部分まで、余分に削って金属に代えてしまう治療も珍しくありませんでした。それが正しい治療だと思われていたのです。
COは、治る瀬戸際にあるむし歯です。COは、削りません。COの治療はむし歯の原因除去療法ですから、むし歯治療の基本です。
歯は唾液の海のなかで、ちょうど呼吸するようにミネラルをすったり出したりしています。ここに強い酸を大量につくる細菌、そして細菌が酸をつくるための栄養が加わると状況が変わります。細菌が歯の表面につくるプラークのなかでは酸がつくられ、歯のミネラルが一方的に溶け出してしまうのです。ちょうど雨が少なく日照りが強いために土地から水が奪われ、砂漠になってしまうのと同じで、プラークの下でミネラルが奪われつづけるとCOの状態になります。歯の一部が白く濁った状態です。深い溝が褐色になることもあります。
日照りが厳しくても砂漠になるとは限りません。樹木が日陰をつくり、植物が水を蓄えていれば砂漠にはなりません。でも家畜が草を食べ尽くし、木々を薪にしてしまうと一気に砂漠化が進むのです。むし歯を防ぐ一番大きな力をもっているのは唾液です。唾液のパワーが及ばないと、天井おやつを控えて、歯みがきをしていてもむし歯になってしまうのです。唾液には、食物を洗い流す働きの他、細菌の増加を抑える力があり、しかもむし歯の細菌が出す酸を中和してくれます。さらにたっぷりとミネラルを含んでいるので、歯がうしなったミネラルを再び取り戻してくれます。このため、唾液の応援があればむし歯を防ぐことができます。
唾液の応援が及ばないところには、フッ素イオンの助けを借ります。歯の耐酸性がとくに低い場合、たとえば子どもの乳酸や生えたばかりの永久歯、削って詰めた歯、かぶせた歯、高齢になって歯茎が下がった歯は酸に弱いので、フッ素の助けが必要です。このほか細菌を減らし酸をつくらせないためには、食べ物と食べ方対策が有効です。口のなかをきれいに清掃することも、もちろん大事です。
高齢者であれば、いつも服用しているお薬に唾液を少なくする福作用があるかもしれません。唾液が出なければ、歯ぐきの下がったところは簡単にむし歯になります。この場合は、お薬を変えることも考えましょう。余分なお薬を減らすチャンスにもなるでしょう。
その人のその場所の問題に応じた対策が、むし歯を治すほんとうの治療です。
一生自分の歯で過そう!D
5 むし歯は遅く、歯周病は早く
子どものころから、ひどくならないうちにきちんと歯科医院を受診されていた40歳の女性の例です。お口のなかを拝見すると、とても40歳とは思えないような黒々とした金属の歯がずらり。治療していない歯はほんのわずか。失った歯は二本。歯周病も年齢の割りに進んでいました。じつは、こういう女性はとても多いのです。歯科の治療に後向きだったのなら、まあ仕方ないのですが、むしろこまめに歯医者さんにかかってきたのです。厚生省の調査でも、40歳代女性の詰めたりかぶせたりしてある歯は、平均で約12本にもなります。
私たちの調査では、初診の患者さんの歯周病の進行の程度をみると、30歳代でひどい歯周病(中等度と重度)の人は15%、40代では40%、50代で56%に達します。ここから「むし歯は早く見つけて削って詰める。歯周病はひどくなるまで放置する」という歯科医療の実態が見えてきます。かぶせる治療が、歯周病をひどくする要因になっているケースもあります。
歯周病は、定期的に歯茎の細菌をきれいにすれば、ほとんどのケースで進行をストップできます。健康を守る為には、むし歯も歯周病も原因対策が必要です。そして現状とは正反対の「むし歯は控えめに処置して、環境改善。歯周病は早期発見・定期管理」に変えましょう。歯周病は、膿が出たり痛みが出るときはもう重症です。そうなる前、ほどんと自覚症状のないうちに治療を始めるべきなのです。
むし歯の方は、急いで削って詰めるよりも、可能であれば歯を削ることを先のばしにして、むし歯のできやすい環境を改善することが、長い目でみると得です。歯を守る唾液のパワーについては前回触れました。細菌がつくる酸に対抗するのが唾液ですが、細菌の酸をつくるはたらきにも注目しましょう。むし歯の原因菌は砂糖を使ってネバネバしたノリと強い酸をつくります。この二つのはたらきでむし歯をつくりますが、砂糖や炭水化物がなければ、むし歯菌は酸をつくれません。
当分の入った飲食物をだらだら口にすることが一番いけません。寝る前に食べ物を口にするのも「だらだら」にあたります。水分補給のためにいいスポーツドリンクも糖分が多いという意味では要注意です。乳幼児に哺乳ビンでスポーツドリンクを与えるお母さんがいますが、これはむし歯をわざとつくっているようなもの。口中の歯がぜんぶむし歯になってしまうこともあります。
小さな子どももお年寄りも、甘いものが大好きです。汗をかくスポーツ選手には甘い飲料が欠かせません。たしかに砂糖は、最高のエネルギー源でああり、精神的なストレスをやわらげる働きがあります。ですから上手な甘いもののとり方を工夫しましょう。だらだら食べない、そして間食を減らすことです。
子どものころから、ひどくならないうちにきちんと歯科医院を受診されていた40歳の女性の例です。お口のなかを拝見すると、とても40歳とは思えないような黒々とした金属の歯がずらり。治療していない歯はほんのわずか。失った歯は二本。歯周病も年齢の割りに進んでいました。じつは、こういう女性はとても多いのです。歯科の治療に後向きだったのなら、まあ仕方ないのですが、むしろこまめに歯医者さんにかかってきたのです。厚生省の調査でも、40歳代女性の詰めたりかぶせたりしてある歯は、平均で約12本にもなります。
私たちの調査では、初診の患者さんの歯周病の進行の程度をみると、30歳代でひどい歯周病(中等度と重度)の人は15%、40代では40%、50代で56%に達します。ここから「むし歯は早く見つけて削って詰める。歯周病はひどくなるまで放置する」という歯科医療の実態が見えてきます。かぶせる治療が、歯周病をひどくする要因になっているケースもあります。
歯周病は、定期的に歯茎の細菌をきれいにすれば、ほとんどのケースで進行をストップできます。健康を守る為には、むし歯も歯周病も原因対策が必要です。そして現状とは正反対の「むし歯は控えめに処置して、環境改善。歯周病は早期発見・定期管理」に変えましょう。歯周病は、膿が出たり痛みが出るときはもう重症です。そうなる前、ほどんと自覚症状のないうちに治療を始めるべきなのです。
むし歯の方は、急いで削って詰めるよりも、可能であれば歯を削ることを先のばしにして、むし歯のできやすい環境を改善することが、長い目でみると得です。歯を守る唾液のパワーについては前回触れました。細菌がつくる酸に対抗するのが唾液ですが、細菌の酸をつくるはたらきにも注目しましょう。むし歯の原因菌は砂糖を使ってネバネバしたノリと強い酸をつくります。この二つのはたらきでむし歯をつくりますが、砂糖や炭水化物がなければ、むし歯菌は酸をつくれません。
当分の入った飲食物をだらだら口にすることが一番いけません。寝る前に食べ物を口にするのも「だらだら」にあたります。水分補給のためにいいスポーツドリンクも糖分が多いという意味では要注意です。乳幼児に哺乳ビンでスポーツドリンクを与えるお母さんがいますが、これはむし歯をわざとつくっているようなもの。口中の歯がぜんぶむし歯になってしまうこともあります。
小さな子どももお年寄りも、甘いものが大好きです。汗をかくスポーツ選手には甘い飲料が欠かせません。たしかに砂糖は、最高のエネルギー源でああり、精神的なストレスをやわらげる働きがあります。ですから上手な甘いもののとり方を工夫しましょう。だらだら食べない、そして間食を減らすことです。
一生自分の歯で過そうE
6・・・歯みがきは、何のため?
お口の健康のためには、歯ブラシでブラッシングすることが大切です。日本には古くから房楊枝という歯ブラシがありました。では、歯みがきの目的は、食べカスを取り除くことにあります。プラークは最近のかたまりです。歯を磨くといっても適当にゴシゴシとやってはを磨いたつもりになっている人が少なくありません。困ったことに、こういう人はいつも同じようにはブラシが触れたこともないというあり様です。四角いお部屋を毎日まるく掃いているようなものですね。お掃除上手は、ほこりのたまりやすいお部屋の隅を掃除します。食べたあと、お茶碗やお皿をひとつずつ洗うように、一本一本の歯をひとつひとつていねいに磨くのが歯みがきです。
歯ぐきの健康維持には、歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間にプラークをためないブラッシングがとても効果的です。とくに歯と歯ぐきの境目は、力を入れるとかえってブラシの毛先が当たりません。
歯ブラシは、力をいれずに毛先を歯面に直角に当てて使います。歯は凹凸の多い複雑な曲面をしていますので、そのかたちを意識して歯ブラシを使う必要があります。我流では、どうしてもいつも同じところを磨き残しているものです。是非とも、歯科衛生士さんに効果的で楽な歯みがきを教えてもらいましょう。ふつうの歯ブラシの他にも、歯間ブラシやフロスなど、その人の口のなかの状態などに応じた道具の使い方を教えてくれます。いろいろな道具を使って器用にみがくことができる人はわずかですが、最近は、音波ブラシなどプラークを除去するのに適した器具も出てきました。
口のなかの細菌はちょうど風呂場や流しのパイプの内側にこびりついている細菌のように頑強な構造体(バイオフィルム)をつくっています。お口のお掃除で、ていねいな歯みがきと同時にもうひとつ大事なことは、このバイオフィルムの除去です。音波ブラシは、音波が頑固なバイオフィルムを破壊するしくみを利用したものです。歯周病のコントロールのために歯医者さんで定期的なクリーニングをすすめる理由も、このこびりついたバイオフィルムを定期的に破壊することが目的なのです。ふだんのお掃除も大事ですが、それとは別に専門家のお掃除が必要なのです
。ちょうど定期的に下水管の咬圧洗浄をするようなものですね。
では、しっかりと歯みがきしていれば、むし歯にならにかというと、残念ながら歯みがきではむし歯は防げません。口中がむし歯だらけの人をよく観察すると、むし歯だらけの人でも、決まってむし歯でないところがあります。それは唾液に守られている場所です。ですから唾液のうまく行き届かないところは、むし歯の危険地帯です。お薬の副作用で唾液の出にくい人は、ふつうの場所が危険地帯になり、安全地帯がなくなりますから要注意です。よく噛めば唾液がたくさん出ます。よく噛むことも大切なむし歯予防です。
むし歯予防の目的では、歯みがき剤が有効です。何もつけない歯ブラシでみがいた後、たっぷりとフッ素入りの歯ブラシで磨いてください。長時間口の中に歯みがきのアワが残っているほど効果的です。最後にできるだけ少量の水でゆすいでください。この程度、口のなかに残ったフッ素はまったく無害であることが確かめられています。完全にすすいでしまうと効果は半減します。とくに大人の歯が生えはじめた小学生や歯ぐくが下がって歯の根がむき出しになった高齢者の場合には、このようなフッ素の使い方が是非とも必要です。
お口の健康のためには、歯ブラシでブラッシングすることが大切です。日本には古くから房楊枝という歯ブラシがありました。では、歯みがきの目的は、食べカスを取り除くことにあります。プラークは最近のかたまりです。歯を磨くといっても適当にゴシゴシとやってはを磨いたつもりになっている人が少なくありません。困ったことに、こういう人はいつも同じようにはブラシが触れたこともないというあり様です。四角いお部屋を毎日まるく掃いているようなものですね。お掃除上手は、ほこりのたまりやすいお部屋の隅を掃除します。食べたあと、お茶碗やお皿をひとつずつ洗うように、一本一本の歯をひとつひとつていねいに磨くのが歯みがきです。
歯ぐきの健康維持には、歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間にプラークをためないブラッシングがとても効果的です。とくに歯と歯ぐきの境目は、力を入れるとかえってブラシの毛先が当たりません。
歯ブラシは、力をいれずに毛先を歯面に直角に当てて使います。歯は凹凸の多い複雑な曲面をしていますので、そのかたちを意識して歯ブラシを使う必要があります。我流では、どうしてもいつも同じところを磨き残しているものです。是非とも、歯科衛生士さんに効果的で楽な歯みがきを教えてもらいましょう。ふつうの歯ブラシの他にも、歯間ブラシやフロスなど、その人の口のなかの状態などに応じた道具の使い方を教えてくれます。いろいろな道具を使って器用にみがくことができる人はわずかですが、最近は、音波ブラシなどプラークを除去するのに適した器具も出てきました。
口のなかの細菌はちょうど風呂場や流しのパイプの内側にこびりついている細菌のように頑強な構造体(バイオフィルム)をつくっています。お口のお掃除で、ていねいな歯みがきと同時にもうひとつ大事なことは、このバイオフィルムの除去です。音波ブラシは、音波が頑固なバイオフィルムを破壊するしくみを利用したものです。歯周病のコントロールのために歯医者さんで定期的なクリーニングをすすめる理由も、このこびりついたバイオフィルムを定期的に破壊することが目的なのです。ふだんのお掃除も大事ですが、それとは別に専門家のお掃除が必要なのです
。ちょうど定期的に下水管の咬圧洗浄をするようなものですね。
では、しっかりと歯みがきしていれば、むし歯にならにかというと、残念ながら歯みがきではむし歯は防げません。口中がむし歯だらけの人をよく観察すると、むし歯だらけの人でも、決まってむし歯でないところがあります。それは唾液に守られている場所です。ですから唾液のうまく行き届かないところは、むし歯の危険地帯です。お薬の副作用で唾液の出にくい人は、ふつうの場所が危険地帯になり、安全地帯がなくなりますから要注意です。よく噛めば唾液がたくさん出ます。よく噛むことも大切なむし歯予防です。
むし歯予防の目的では、歯みがき剤が有効です。何もつけない歯ブラシでみがいた後、たっぷりとフッ素入りの歯ブラシで磨いてください。長時間口の中に歯みがきのアワが残っているほど効果的です。最後にできるだけ少量の水でゆすいでください。この程度、口のなかに残ったフッ素はまったく無害であることが確かめられています。完全にすすいでしまうと効果は半減します。とくに大人の歯が生えはじめた小学生や歯ぐくが下がって歯の根がむき出しになった高齢者の場合には、このようなフッ素の使い方が是非とも必要です。
一生自分の歯で過そうF
7・・・成人の慢性の病気と治療と予防
慢性の病気の最良の治療は予防です。予防が大切という意味で、そう言うのではありません。むしろ治療と予防に境目がないのです。たとえば糖尿病(二型)のもっとも基本的な治療法は充分な運動と適切な食事です。お医者さんまかせで治るものではありません。同時に、減量・運動・食事療法は、糖尿病になりやすい人にとってもっとも有効な予防法です。どこからが予防の運動で、どこからが治療の運動か、なんてありません。
慢性の病気の原因には、いくつもの因子があります。コレラ菌の感染だけで起こりますが、胃潰瘍はピロリ菌の感染に加えてストレスや食生活が関係していると言われています。このように病気のかかりやすさを左右している因子をリスク因子とよびます。歯周病の場合にも、いくつかの犯人らしき細菌の名前があがっていますが、病気の発症と進行には、からだの遺伝的な要因や環境要因がかかわっています。遺伝的なものは変えることができませんが、それだけで病気になるのではありません。歯医者さんで改善できるリスク因子もあります。アドバイスを受けて自分で改善できるリスク因子もあります。リスク因子を見つけ出すのが診断であり、そのリスクを下げるのが予防であり治療です。
歯ブラシで上手にブラッシングすることが、歯周病の予防にも治療にも大きな役割をもっていることは、多くの人が知っています。ただ歯ブラシに熱心でも、年をとって入れ歯になってしまう人がいるかと思えば、たいして磨かないのに、歯のじょうぶなお年寄りもいます。このように病気のかかりやすさを左右しているのが、リスク因子です。
現代人は、糖尿、痛風、リウマチなどたくさんの慢性の病気に悩まされていますが、それぞれのリスク因子には共通するものもありますし、相互に別の病気のリスク因子になっているものもあります。歯周病は、口のなかの細菌のほか、歯のかたちや歯ぎしりの癖、口呼吸の習癖などが関係していますが、もっとも大きなリスク因子は、じつは喫煙です。炎症を起こすサイトカイン(細胞が出す物質)の遺伝的な性質が歯周病に関係していることが発見され専門家の間で話題になりました。これで歯周病の診断が画期的に進歩すると思われたのです。ところが、喫煙習慣のある人では思い通りの結果がでません。遺伝因子よりも喫煙習慣の方がじつはずっと大きなリスク因子だったのです。
糖尿病も歯周病のリスク因子です。糖尿病の人は、悪くなりやすく治りにくいことが分かっています。このほか抗てんかん薬、狭心症の予防薬、免疫抑制剤などの薬剤の副作用もリスク因子になります。
慢性の病気の治療では、このように患者さんと専門家が協力し、役割を分割しながらリスクをコントロールします。たしかに慢性の病気で生じた生涯の昨日の回復も大切です。でもそれだけでは病気は治りません。たしかに昔は、むし歯になって歯を削ることや、年をとって入れ歯を入れることが歯の治療だと考えられていました。糖尿病も昔は、目が見えなくなったり、足が不自由になったり、腎臓がダメになったりするのが普通でした。しかし、いまでは、そうなる前に治療します。
慢性の病気の予防や治療のことが、つぎつぎに明らかになったのは、この20年ぐらいのことです。ですから今まで昔の治療の考え方でいたことは仕方のないことです。しかし、成人の病気は、だれもが避けられず、機能障害を回復するのが治療という時代は終わりました。成人の慢性の病気は、もう避けることができるのです。
慢性の病気の最良の治療は予防です。予防が大切という意味で、そう言うのではありません。むしろ治療と予防に境目がないのです。たとえば糖尿病(二型)のもっとも基本的な治療法は充分な運動と適切な食事です。お医者さんまかせで治るものではありません。同時に、減量・運動・食事療法は、糖尿病になりやすい人にとってもっとも有効な予防法です。どこからが予防の運動で、どこからが治療の運動か、なんてありません。
慢性の病気の原因には、いくつもの因子があります。コレラ菌の感染だけで起こりますが、胃潰瘍はピロリ菌の感染に加えてストレスや食生活が関係していると言われています。このように病気のかかりやすさを左右している因子をリスク因子とよびます。歯周病の場合にも、いくつかの犯人らしき細菌の名前があがっていますが、病気の発症と進行には、からだの遺伝的な要因や環境要因がかかわっています。遺伝的なものは変えることができませんが、それだけで病気になるのではありません。歯医者さんで改善できるリスク因子もあります。アドバイスを受けて自分で改善できるリスク因子もあります。リスク因子を見つけ出すのが診断であり、そのリスクを下げるのが予防であり治療です。
歯ブラシで上手にブラッシングすることが、歯周病の予防にも治療にも大きな役割をもっていることは、多くの人が知っています。ただ歯ブラシに熱心でも、年をとって入れ歯になってしまう人がいるかと思えば、たいして磨かないのに、歯のじょうぶなお年寄りもいます。このように病気のかかりやすさを左右しているのが、リスク因子です。
現代人は、糖尿、痛風、リウマチなどたくさんの慢性の病気に悩まされていますが、それぞれのリスク因子には共通するものもありますし、相互に別の病気のリスク因子になっているものもあります。歯周病は、口のなかの細菌のほか、歯のかたちや歯ぎしりの癖、口呼吸の習癖などが関係していますが、もっとも大きなリスク因子は、じつは喫煙です。炎症を起こすサイトカイン(細胞が出す物質)の遺伝的な性質が歯周病に関係していることが発見され専門家の間で話題になりました。これで歯周病の診断が画期的に進歩すると思われたのです。ところが、喫煙習慣のある人では思い通りの結果がでません。遺伝因子よりも喫煙習慣の方がじつはずっと大きなリスク因子だったのです。
糖尿病も歯周病のリスク因子です。糖尿病の人は、悪くなりやすく治りにくいことが分かっています。このほか抗てんかん薬、狭心症の予防薬、免疫抑制剤などの薬剤の副作用もリスク因子になります。
慢性の病気の治療では、このように患者さんと専門家が協力し、役割を分割しながらリスクをコントロールします。たしかに慢性の病気で生じた生涯の昨日の回復も大切です。でもそれだけでは病気は治りません。たしかに昔は、むし歯になって歯を削ることや、年をとって入れ歯を入れることが歯の治療だと考えられていました。糖尿病も昔は、目が見えなくなったり、足が不自由になったり、腎臓がダメになったりするのが普通でした。しかし、いまでは、そうなる前に治療します。
慢性の病気の予防や治療のことが、つぎつぎに明らかになったのは、この20年ぐらいのことです。ですから今まで昔の治療の考え方でいたことは仕方のないことです。しかし、成人の病気は、だれもが避けられず、機能障害を回復するのが治療という時代は終わりました。成人の慢性の病気は、もう避けることができるのです。
一生自分の歯で過そう!G
8・・・これまでの歯科のかかり方/これからの歯科のかかり方
洋画好きの人は、ハリウッド映画で、「歯医者の予約」を口実に誘いを断るセリフを聞いたことがありませんか。注意深く聞いていると、スケジュールを打ち合わせるシーンにはよく「歯医者の予約」が話題になります。日本のドラマで、そんなセリフがあったら「どこが悪いの?」って突っ込まれるかもしれません。ハリウッド映画の「歯医者の予約」は治療ではないのです。
厚生労働省は、国民の健康目標「健康日本21」を去年発表しました。そこには「定期的に歯石除去や歯面清掃を受けている者」の割合を、2010年に30%以上にしようという具体的な目標が掲げられています。
歯や歯ぐきの病気の多くは、細菌の感染症です。そこに唾液や食事や炎症などの要因がからんで生じるのですが、この細菌は風呂場や流しのパイプにこびりついている細菌と同じで、ちょっと触ったぐらいでは落ちない頑強な構造体(バイオフィルム)をつくっています。このため歯や歯ぐきの細菌に薬はほとんど効きません。これを放置しておくと、細菌から毒素や刺激物質が出続け、からだの防御反応でかえって歯を支える組織が破壊されてしまいます。
そこで歯周病の治療では、毎日、歯ブラシでていねいにブラッシングするとともに、このしつこい細菌のかたまりを特別の方法でかき落として除去するのが効果的な治療法になります。歯ぐきに隠れた部分を専門家に定期的にクリーニングしてもらうことが、もっとも基本的な治療法です。「健康日本21」が「定期的に歯石除去や歯面清掃」を受けようと呼びかける理由がここにあります。
慢性の病気では、予防と治療に境目はありません。最良の治療のことを、予防と呼ぶのです。治療中心の医療から、軸足を予防に移すことは、世界の常識です。英国や北欧では大人になるまでは、歯科医療は無料です。子どもの医療は、予防中心の医療です。逆に大人の治療は高額の患者負担になります。米国歯科医師会の調査(1994年)によれば、米国人の79%が健診やクリーニングのために年一回は歯科を受診しています。同じ年に病気の治療を目的に受診した人は12%にすぎません。米国では、日本の健康保険のような制度がなく、民間保険会社の保険は、歯の詰めものや入れ歯の治療には部分的にしか支払いをしてくれません。いったん治療になると高額の治療費がかかるのです。このため多くの人は自分の身と財布を守る予防管理のために歯医者さんに通院します。
日本の場合、幸か不幸か、歯を削ってつめたり入れ歯を入れる治療が、健康保険によって比較的広くカバーされています。皮肉なことに、これがかえって予防への取り組みを遅らせているのです。現在の健康保険では、病気が進行して歯や歯ぐきに著しい兆候は出ないと治療できません。このため予防的なニュアンスの治療は、保険ではとても取扱いにくいのです。これが予防に積極的な歯科医が、なかなか増えない理由にもなっています。
厚労省の調査では、50歳以上の国民は10年間に平均、5.4本の歯を失っています。これに対して定期管理を受けている人たち(日本ヘルスケア歯科研究会データ・通院患者30歳以上)を調べると10年間に平均、0.7本の歯しか失っていません。元々、歯の状態が悪くて受診した患者のデータであることを考えれば、この差は大きな意味をもっています。失敗してから痛い思いをしてお金をかけて頻繁に通うか、気持ちよく年に1〜2度通うか?
数ヶ月に一度、美容院や散髪に行くように健康管理のために通うのがこれからの歯科のかかり方です。
洋画好きの人は、ハリウッド映画で、「歯医者の予約」を口実に誘いを断るセリフを聞いたことがありませんか。注意深く聞いていると、スケジュールを打ち合わせるシーンにはよく「歯医者の予約」が話題になります。日本のドラマで、そんなセリフがあったら「どこが悪いの?」って突っ込まれるかもしれません。ハリウッド映画の「歯医者の予約」は治療ではないのです。
厚生労働省は、国民の健康目標「健康日本21」を去年発表しました。そこには「定期的に歯石除去や歯面清掃を受けている者」の割合を、2010年に30%以上にしようという具体的な目標が掲げられています。
歯や歯ぐきの病気の多くは、細菌の感染症です。そこに唾液や食事や炎症などの要因がからんで生じるのですが、この細菌は風呂場や流しのパイプにこびりついている細菌と同じで、ちょっと触ったぐらいでは落ちない頑強な構造体(バイオフィルム)をつくっています。このため歯や歯ぐきの細菌に薬はほとんど効きません。これを放置しておくと、細菌から毒素や刺激物質が出続け、からだの防御反応でかえって歯を支える組織が破壊されてしまいます。
そこで歯周病の治療では、毎日、歯ブラシでていねいにブラッシングするとともに、このしつこい細菌のかたまりを特別の方法でかき落として除去するのが効果的な治療法になります。歯ぐきに隠れた部分を専門家に定期的にクリーニングしてもらうことが、もっとも基本的な治療法です。「健康日本21」が「定期的に歯石除去や歯面清掃」を受けようと呼びかける理由がここにあります。
慢性の病気では、予防と治療に境目はありません。最良の治療のことを、予防と呼ぶのです。治療中心の医療から、軸足を予防に移すことは、世界の常識です。英国や北欧では大人になるまでは、歯科医療は無料です。子どもの医療は、予防中心の医療です。逆に大人の治療は高額の患者負担になります。米国歯科医師会の調査(1994年)によれば、米国人の79%が健診やクリーニングのために年一回は歯科を受診しています。同じ年に病気の治療を目的に受診した人は12%にすぎません。米国では、日本の健康保険のような制度がなく、民間保険会社の保険は、歯の詰めものや入れ歯の治療には部分的にしか支払いをしてくれません。いったん治療になると高額の治療費がかかるのです。このため多くの人は自分の身と財布を守る予防管理のために歯医者さんに通院します。
日本の場合、幸か不幸か、歯を削ってつめたり入れ歯を入れる治療が、健康保険によって比較的広くカバーされています。皮肉なことに、これがかえって予防への取り組みを遅らせているのです。現在の健康保険では、病気が進行して歯や歯ぐきに著しい兆候は出ないと治療できません。このため予防的なニュアンスの治療は、保険ではとても取扱いにくいのです。これが予防に積極的な歯科医が、なかなか増えない理由にもなっています。
厚労省の調査では、50歳以上の国民は10年間に平均、5.4本の歯を失っています。これに対して定期管理を受けている人たち(日本ヘルスケア歯科研究会データ・通院患者30歳以上)を調べると10年間に平均、0.7本の歯しか失っていません。元々、歯の状態が悪くて受診した患者のデータであることを考えれば、この差は大きな意味をもっています。失敗してから痛い思いをしてお金をかけて頻繁に通うか、気持ちよく年に1〜2度通うか?
数ヶ月に一度、美容院や散髪に行くように健康管理のために通うのがこれからの歯科のかかり方です。
一生自分の歯で過そう!H
9・・・歯周病を起こすリスク、歯周病が起こすリスク
かつて成人病と呼ばれていた脳卒中、動脈硬化、ガン、糖尿病などを、いまは生活習慣病と呼びます。病気の原因のすべてが生活習慣にあるのではありませんが、いずれの病気も、生活習慣の改善が病気の治療になり予防になります。歯周病も同様です。歯周病の治療と予防の第一はプラークコントロールです。口のなかのプラークを健康に保つことは、からだの健康にもつながります。体力が衰え、せきをする力が弱くなると、誤って細菌だらけの唾液が気管支に入り、肺炎を起こします。微熱に悩まされるだけでなく、思わぬ死を招くこともあります。口のなかの細菌や歯ぐきの炎症は、動脈硬化や心臓の病気の原因になることが疑われています。
慢性の病気はいくつかの原因が重なり合っておこります。歯周病がひどくなる場合にも、細菌がつくるバイオフィルム(下水のパイプにこびりつくような細菌の構造体)のほかに、遺伝的な因子、歯ぎしり、喫煙、糖尿病などの全身の病気や薬物などがかかわっています。これをリスク因子とよんでいます。年をとると歯周病になって歯が抜ける、と信じている人もいますが、私たちの経験では、プラークコントロールがよい場合には、年をとっても歯周病は進みません。いくつかのリスク因子がある場合には、おそらくリスクの蓄積が大きくなるのでしょう。年をとるにつれて歯周病は重症化します。
この歯周病のリスクのうち、もっとも大きな影響があるのはタバコです。タバコが、成人のさまざまな慢性の病気の原因になっていることは、いまや常識ですが、タバコを吸っている人と吸っていない人では歯周病のすすみ方、治り方がまるで違います。私たちの調査でも40歳代でひどい歯周病になっている人は非喫煙者では24%ですが、喫煙者では56%にもなります。喫煙者は同じ年齢の非喫煙者に比べて3.9倍も歯周病になりやすいのです。タバコは歯周病の進行を早く、ひどくします。米国では、ほとんどの歯科医院で喫煙指導をしています。
心臓、肺、血管、皮膚。タバコはあらゆる病気を引き起こす大きな危険因子であることはもう常識です。イギリスの調査では、70歳時の生存率は、非喫煙者80%、喫煙者59%です。タバコの煙は、タバコを吸っていない人も危険にさらします。夫が1日20本以上の喫煙者では、副流煙で妻の肺ガン死亡率は1.9倍になっているという研究があります。
米国では、成人の喫煙者はすでに少数派です。いまではむしろ、10台の若者の問題です。わが国でも成人男性の喫煙者は減っていますが、若い女性や10代の若者たちの喫煙が増えています。タバコはいったん吸い始めて習慣になってしまうと、大きな犠牲を払わなければ止めることはできません。喫煙習慣は軽い気持ちのつき合いや大人の真似、小さな反抗心から始まります。そんなことから生涯、重荷を背負うのであることを大人たちが教えるべきでしょう。
若い女性の喫煙は、太りたくないという願望から始まるようです。でも喫煙がどれほど、肌を老化させるか、歯ぐきを黒く微笑みを台無しにするか、衰えに驚いてからでは遅すぎるのです
年をとると様々な病気とつきあうことになります。糖尿病は血液疾患うあ免疫疾患と並んで歯周病と関連の深い病気です。糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が糖尿病を悪化させる悪循環が起こります。骨のなかのミネラルが少なくなってスカスカになる骨粗鬆症も歯周病のリスク因子です。このほか抗高血圧薬や精神薬、ホルモン製剤などの薬の副作用も無視できません。年をとると、どうしても慢性症状を抑えるために薬を常用する傾向がありますが、その薬の副作用が歯周病のリスクにになっているのです。
かつて成人病と呼ばれていた脳卒中、動脈硬化、ガン、糖尿病などを、いまは生活習慣病と呼びます。病気の原因のすべてが生活習慣にあるのではありませんが、いずれの病気も、生活習慣の改善が病気の治療になり予防になります。歯周病も同様です。歯周病の治療と予防の第一はプラークコントロールです。口のなかのプラークを健康に保つことは、からだの健康にもつながります。体力が衰え、せきをする力が弱くなると、誤って細菌だらけの唾液が気管支に入り、肺炎を起こします。微熱に悩まされるだけでなく、思わぬ死を招くこともあります。口のなかの細菌や歯ぐきの炎症は、動脈硬化や心臓の病気の原因になることが疑われています。
慢性の病気はいくつかの原因が重なり合っておこります。歯周病がひどくなる場合にも、細菌がつくるバイオフィルム(下水のパイプにこびりつくような細菌の構造体)のほかに、遺伝的な因子、歯ぎしり、喫煙、糖尿病などの全身の病気や薬物などがかかわっています。これをリスク因子とよんでいます。年をとると歯周病になって歯が抜ける、と信じている人もいますが、私たちの経験では、プラークコントロールがよい場合には、年をとっても歯周病は進みません。いくつかのリスク因子がある場合には、おそらくリスクの蓄積が大きくなるのでしょう。年をとるにつれて歯周病は重症化します。
この歯周病のリスクのうち、もっとも大きな影響があるのはタバコです。タバコが、成人のさまざまな慢性の病気の原因になっていることは、いまや常識ですが、タバコを吸っている人と吸っていない人では歯周病のすすみ方、治り方がまるで違います。私たちの調査でも40歳代でひどい歯周病になっている人は非喫煙者では24%ですが、喫煙者では56%にもなります。喫煙者は同じ年齢の非喫煙者に比べて3.9倍も歯周病になりやすいのです。タバコは歯周病の進行を早く、ひどくします。米国では、ほとんどの歯科医院で喫煙指導をしています。
心臓、肺、血管、皮膚。タバコはあらゆる病気を引き起こす大きな危険因子であることはもう常識です。イギリスの調査では、70歳時の生存率は、非喫煙者80%、喫煙者59%です。タバコの煙は、タバコを吸っていない人も危険にさらします。夫が1日20本以上の喫煙者では、副流煙で妻の肺ガン死亡率は1.9倍になっているという研究があります。
米国では、成人の喫煙者はすでに少数派です。いまではむしろ、10台の若者の問題です。わが国でも成人男性の喫煙者は減っていますが、若い女性や10代の若者たちの喫煙が増えています。タバコはいったん吸い始めて習慣になってしまうと、大きな犠牲を払わなければ止めることはできません。喫煙習慣は軽い気持ちのつき合いや大人の真似、小さな反抗心から始まります。そんなことから生涯、重荷を背負うのであることを大人たちが教えるべきでしょう。
若い女性の喫煙は、太りたくないという願望から始まるようです。でも喫煙がどれほど、肌を老化させるか、歯ぐきを黒く微笑みを台無しにするか、衰えに驚いてからでは遅すぎるのです
年をとると様々な病気とつきあうことになります。糖尿病は血液疾患うあ免疫疾患と並んで歯周病と関連の深い病気です。糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が糖尿病を悪化させる悪循環が起こります。骨のなかのミネラルが少なくなってスカスカになる骨粗鬆症も歯周病のリスク因子です。このほか抗高血圧薬や精神薬、ホルモン製剤などの薬の副作用も無視できません。年をとると、どうしても慢性症状を抑えるために薬を常用する傾向がありますが、その薬の副作用が歯周病のリスクにになっているのです。














